クロスプラットフォームの落とし穴-NTFS & HFS+ for Androidがストレージの相互運用性の問題に挑む

来るクリスマスに自分への、またどなたかへのプレゼントとしてガジェットを購入する予定の方もいらっしゃるでしょう。しかし、それらがどんなOS上でも、常にシームレスに動作するわけではないことはご存知でしょうか。多くのアプリケーションに共通する問題ですが、誰かが愛用するWindows PCのプログラムは自分のMacでは動かないし、自分がiOS上で好んで使っているアプリも誰かのAndroidは対応していなかったり。それに、携帯デバイスとラップトップも完全に相容れるものではありません。Androidのデバイスはモバイル市場でシェア68パーセント、さらにエレクトロニクス市場の他の領域にも拡がりつつあり人気は高まるばかりですが、それに伴いユーザーが、AndroidのデバイスとMac等PCとのデータ交換を簡単で確実にできる方法が必要となってきています。

しかしここで疑問に思うのは、コンピューターとモバイルのOSを、どうしたらうまく一緒に使うことができるのか、ということです。もしデバイスを交換したり、異なるOSが稼動している様々なデバイス上にあるデータ(例えばビデオ等)にアクセスしたい時、そのデータを破損せず、無事にアクセスすることができるのでしょうか?オープンソースのコミュニティーは、このストレージの運用相互性の問題について、10年以上も取り組んできました。そしてその問題を克服すべく、様々なドライバを作ってきました。有名なソリューション例はNTFS-3Gで、LinuxやMacOS、FreeBSDからNTFSへの読み書きアクセスを可能にするものです。また、多くのLinuxディストリビューションにもデフォルトでインストールされています。

AndroidはLinuxベースであるにも関わらず、NTFS-3GはAndroidのタブレットやスマートフォン、メディアプレイヤーでも簡単に稼動するというわけではありません。技術的に見て、それには二つ理由があります。ひとつはAndroidのセキュリティーシステムが、アプリケーションがストレージメディアに直接アクセスできないようにしていること。これはドライバにとっては必要不可欠な要件でもあります。なので、ユーザーがインストールできるファイルシステムドライバは、インストールをする前にデバイスをルートしなければならないのです。

二つ目の理由は、Androidのストレージ管理システムが、WindowsやMac OS X等のデスクトップOS上で稼動しているシステムほど拡張可能では無く、インストール可能なツールを使って外部ストレージを簡単にマウントすることができないことです。ストレージ管理サブシステムの改善は、グーグルのロードマップにはまだありません。ですので、ストレージメディアの自動マウント、またAndroidのユーザーが期待する使いやすさを可能にするためにも、オープンソースコミュニティーの努力が必要となってくるのです。

しかし、クロスプラットフォームのアプリケーションを提供すべく尽力しているベンダーの苦労も、デバイス間のストレージの運用相互性が無ければ無駄に終わる可能性もあります。もっとも利用されているメディアと言えばビデオですが、多くのAndroidのユーザーが、Macでフォーマットされたポータブルディスクから新しいAndroidベースのメディアプレイヤーでビデオファイルを再生させるのに苦労しているのです。

2012年7月、XMBCはAndroidタブレットPCやスマートフォン、セットトップボックス向けに無償且つオープンソースのクロスプラットフォームメディアプレイヤーのアプリケーションを発表しました。ローカルネットワークビデオやオーディオストリーミングを、デスクトップ上で再生しているかのようにアクセス可能にするものです。これは、メディアを頻繁に、様々なデバイスからストリーミングする人には便利なツールです。一方Paragon Software Groupでは、過去17年に渡りクロスプラットフォーム技術に取り組んできたテクノロジーリーダーとして、NTFS & HFS+ for Androidを開発することになりました。これは、無償で提供される技術で、ネイティブのシステムドライバが通常完全には対応していないAndroidデバイス上で、一般的なファイルシステムへのアクセスを可能にするものです。

拡大し続けるモバイルプラットフォームやOSの利用、またデバイスやタブレットプラットフォームの断片化がもたらす運用相互性の問題は、多数のデバイス間でデータ交換をする必要がある場合には苛立たしいものです。プラットフォームが多数に渡ったとしても一貫したユーザー体験を提供することは、ソフトウェアベンダーにとって技術への挑戦でもあります。なぜなら、プラットフォームは機能や処理能力、構造、または開発ツールにも違いがあるからです。幸いにも、この運用相互性という問題に熱心に取り組む開発者が、ここにはいるのです。

この記事についてご質問がある場合、pr@paragon-software.comよりパラゴンソフトウェアにご連絡下さい。または、パラゴンのサポートフォーラムFacebookをご覧下さい。

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